歳を重ねるにつれて増えてくるお腹周りの脂肪。もともと脂肪を蓄えやすい部位である上に、加齢によって基礎代謝が下がってさらに脂肪がたまりやすくなり、内臓を支える筋肉も弱ってくるのが、お腹が出てしまう原因だ。効果的にお腹を凹ませたいなら、ターゲットはお腹の周りをコルセットのように囲む「腹横筋」。短期集中でお腹を凹ませる「30秒ドローイン」を早速実践してみよう。その仕組みがわかったところで、いよいよ実践編に入ろう。ドローインは、おへそ周辺を中心にお腹を凹ますだけという簡単な方法だが、ちょっとしたコツを覚えることで、効果的に腹を凹ませることができるのだという。
ドローインは腹横筋に収縮状態を覚えさせ、お腹を凹ませる
「お腹を凹ませることをドローイン(Draw-in)といいます。もともとは腰周辺に問題がある人、特に腰痛を緩和させるための理学療法の一環として行われていたものです。腰痛治療の時のドローインは、仰向けになって膝を立て、お腹を背中側にくっつけるようなイメージで引き込みます。それによって、お腹の一番内側にある腹横筋にアプローチして、腰椎に掛かる負担を減らして腰痛を軽減しようというものです」腰痛改善ではなく腹を凹ませることを目的とするなら、ドローインは立った姿勢で行うほうが効果的とのことだが、動作としては非常に地味なものだ。正直言って、実行している時には本当に筋肉に効いているのか実感もわかない。しかし、正確に繰り返していくうちに腹回りは確実に引き締まっていく「筋肉というのは、使えば使ったなりの形になっていきます。私はこれを"筋肉の形状記憶"と呼んでいます。ドローインは、お腹を一時的に凹ませて見栄えをごまかすためのものではありません。お腹を凹ませる動きを何度も繰り返すことで、腹横筋が収縮することを覚え、引き締まった状態の形を記憶するんです。それでお腹が凹んでいくんですね」
例えば筋トレで、重いダンベルを持って前腕を上下させる「アームカール」という種目がある。上腕二頭筋という筋肉を鍛えるためのトレーニングだが、これをハードにやると、終わった後にも筋肉の緊張が残り、 二頭筋がパンパンに張って太くなる。そして、アームカールを繰り返すことで、実際に普段の上腕が太くなっていくのだ。それと同じように、腹横筋を強く刺激して、お腹を凹ませた状態に変えていくのがドローインだと考えればいい。
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